出光興産株式会社
Special Interview

ダイキン工業株式会社 滋賀製作所様

廃木材300tをエネルギーへ
CO2削減と年間230万円のコストダウンを両立する
新たな再エネモデルの実現

ダイキン工業株式会社 滋賀製作所様では、廃木材を利用した
バイオマス発電という新たな取り組みを推進しています。
環境性と経済性の両立が可能になる本プロジェクト。
その実現の背景と価値について、ダイキン工業様にお話を伺いました。

バイオマス発電再エネ
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背景
  • 廃棄される木材を、エネルギーへ
出光興産を選んだ決め手
  • 新しさと安定性を両立した電力供給スキーム
  • 出光興産が持つ信頼と多様なソリューション
導入後の効果
  • 年間約65トンのCO2削減
  • 年間約230万円のコスト削減
  • 社内での優秀賞獲得、組織全体への波及
今後の展望
  • 持続可能な取り組みで将来にわたって引き継がれていくプロジェクトに

<背景>廃棄される木材を、エネルギーへ

廃木材をエネルギーに再利用

―― 本プロジェクトの背景は?

弊社はグローバルで広く事業を展開するエアコンメーカーとして環境に対して大きな責任があり、2050年までにCO2排出量実質ゼロという目標を掲げています。その達成のために2030年までには50%以上削減する必要があり、CO2低減策を模索していました。そんな中でスタートしたのが本プロジェクトです。
エアコンの部品を海外から調達しているのですが、輸入時に梱包材として使用されるダンボールや木材パレットなどを廃棄せざるを得ない状況が過去にはありました。マテリアルリサイクルという仕組みでダンボールは再利用の道が見えていたのですが、木材パレットについてはリユースにも限界があり、どうにか活用できる方法はないか模索していました。

―― 廃材の量はどれくらい?

木材パレットなど廃棄される木材が年間でおよそ300トン。紙の原材料や木材チップとして再利用されていましたが、他にもっと良い活用法がないか模索していた時に地元滋賀県の老舗リサイクル企業である山室木材工業さんと出会い、廃木材をバイオマス発電へ転換するという発想に繋がっていきました。
2023年に開催された、滋賀県主催の企業間交流会で、山室木材工業さんがバイオマス発電も所有されていて、売電も可能であるという貴重な情報に心惹かれました。
廃木材を処分するのでなく、エネルギーに変えるという発想に大きな可能性を感じましたね。

<出光興産を選んだ決め手1>新しさと安定性を両立した電力供給スキーム

廃木材からバイオマス発電を行う地産地消スキーム

―― 出光興産が参画して得られたことは?

私たちダイキン工業は廃木材を提供し、山室木材工業さんがバイオマス発電用の燃料チップに変換して、バイオマス発電をする。この先のステップである、発電した電力の共有、小売りの役割として出光興産さんにご参画いただきました。
廃木材を電力として使うまでの一連のスキームが確立できたのは、3社の連携があってこそのものだと思っています。
出光興産さんを選んだ決め手の一つは「安定性」です。
バイオマス発電は非常に魅力的な仕組みですが、一方で製造業の立場では“安定供給”が最も重要なポイントになります。万が一、発電が停止した場合のリスクについては、導入前から強く意識していました。その点、出光興産さんはバイオマスに加え、太陽光や風力など複数の再生可能エネルギーを組み合わせた供給ネットワークを構築されています。仮に一部の発電が停止しても代替供給が可能な体制が整っており、その“バックアップの広さ”が大きな安心材料となりました。

―― 出光興産はどのようなパートナーだと感じましたか?

電力というインフラを扱う以上、価格だけでなく信頼性や継続性が重要になります。その点でも出光興産さんは実績のある企業であり、安心してお任せできるパートナーだと感じています。特に印象的だったのは、東京から滋賀の現場まで足を運んでいただき、プロジェクトを前に進めるために非常に積極的に関わってくださったことです。単なる供給者ではなく、ともに伴走してくれる頼もしい存在だと信頼しています。

<出光興産を選んだ決め手2>出光興産が持つ信頼と多様なソリューション

―― 本プロジェクト導入にあたり、どのような課題がありましたか?

最大のハードルは大きく2つありました。ひとつは、もともと契約していた電力会社様との調整。これまで築いてきた関係もあり、その中で新しいスキームをどのように組み込むかは非常に難しいテーマでした。
もうひとつは社内の体制整備です。弊社としても初めての取り組みだったため、法務部への提案や、電力需給契約の内容に関する審査など、事前にしっかりとした社内整理が求められました。その中でも出光興産さんという信頼性の高い企業と連携することで、社内外の理解を得やすくなった点も大きかったですね。

―― とくに重視されたポイントや譲れなかった条件は?

安定供給を担保するための“バックアップ体制”です。バイオマス発電を活用する以上、不測の停止リスクへの備えは非常に重要だと考えていました。出光興産さんのネットワークにより、万が一バイオマス発電が停止した場合でも太陽光や風力といった他の再生可能エネルギーも含めた補完が可能で、この“ソリューションの広さ”は大きな安心材料でした。

環境性と経済性の両立も譲れません。木材の運搬にはCO2排出が伴うため、これをいかに抑えつつコストダウンを図るかが重要なテーマでした。そこで、岐阜県内にある運送会社様が大阪方面へ運行する帰り便を活用し、輸送効率を高める仕組みを構築しました。具体的には、荷物を運び終えた空のトラックに廃木材を積み込み、山室木材工業さんへ運搬するという流れです。これにより、CO2排出量の削減とコストダウンを同時に実現し、双方にメリットのある持続可能な取り組みが実現しました。

<導入後の効果1>年間約65トンのCO2削減

輸送時に帰り便を活用することでCO2排出量を約50%削減できています。片道約150kmの輸送が実質半減されるイメージです。さらに、バイオマス発電由来の電力を活用することで、年間約65トンのCO2削減出来ました。

<導入後の効果2>年間約230万円のコスト削減

コスト面では、帰り便の活用による輸送コストの削減が年間約45万円、加えて廃木材をバイオマス発電の燃料として活用することで、年間約230万円のコストダウンを実現できました。

<導入後の効果3>社内での優秀賞獲得、組織全体への波及

無形のものではありますが、嬉しい効果がありました。社内で毎年開催される環境取り組みの発表会において本事例を紹介する機会をいただき、ダイキン工業滋賀の取り組みとして全社へ発信し、優秀賞を獲得できました。これをきっかけに、空調生産本部内での横展開も進んでおり、大阪の堺製作所や淀川製作所でも関心が高まっています。グループ会社であるダイキンパイピングやダイキンレグザムエレクトロニクスでは、すでに導入が進み、実際に廃木材の排出・活用がスタート。このように、環境・コストの両面に加え、組織全体へのCO2削減の波及という点でも大きな成果が得られていると感じています。

<今後の展望>持続可能な取り組みで将来にわたって引き継がれていくプロジェクトに

―― 本プロジェクトを振り返ると?

私自身、廃棄物や環境に関わる、いわゆる地道で堅実な仕事に長く向き合ってきました。おかげで周囲からも「廃棄物」に関連する多くの相談を受けてきました。そんな私だからこそ言えるのは、このような取り組みは、企業活動である以上、趣味やボランティアとは違い、コストとの両立は不可欠です。いくら良い取り組みであっても、コスト増につながるようでは決して長続きしません。
その点で今回の事例は、コストダウンを実現しながらCO2排出量の削減にもつながっており、まさに持続可能な企業活動のあり方を体現できたと感じています。
さらに今回は、これまでにない新しい切り口での取り組みを実現できた点でも、大きな意義があったと考えています。そして何より、この取り組みが私たちの世代にとどまらず、将来にわたって引き継がれていく、そんなプロジェクトになることを期待しています。

Special Thanks

左から
空調生産本部
前田安彦様
村治英幸様
久保博之様

info

※掲載内容は取材当時のものです。