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業務用エアコンの電気代の計算方法!
電気代が高くなる理由や節約ポイントを解説
資源エネルギー庁のデータによると、オフィスビルの電気代の約半分は、業務用エアコンなどの空調設備が占めています。そのため、「業務用エアコンの電気代を節約したい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
業務用エアコンの電気代を節約するには、まず電気代の計算方法を知っておくことが重要です。業務用エアコンの電気代は、消費電力や使用時間、電力量料金単価を用いて計算できます。
この記事では、業務用エアコンの電気代の詳しい計算方法や、電気代が高くなる理由、電気代を抑える9つの節約ポイントなどを詳しく解説します。
目次
業務用エアコンの電気代を計算する方法

業務用エアコンをはじめとする機器の電気代は、次の計算式で求められます。
<電気代の計算式>
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)
電気代の計算方法をステップ別に解説するので、業務用エアコンの電気代を計算する際の参考にしてください。
1.消費電力を確認する
まずは使っている製品の消費電力を確認しましょう。消費電力は、各製品の仕様書やカタログに記載されています。
ただし消費電力(kW)は、運転モードによって異なります。さらに、冷房時と暖房時では消費電力に差があることに注意しましょう。
2.使用時間を把握する
次に、1ヵ月の使用時間を把握しましょう。1日の目安の使用時間を出し、そこから1ヵ月の時間を算出します。
例えば、1日10時間の運転で20日間稼働させるオフィスの場合は、1ヵ月の使用時間は「10時間×20日=200時間」です。
なお、企業によっては、営業日以外でも休日出勤などで稼働する場合があるでしょう。単純に営業日だけで計算するのではなく、なるべく実態に沿う形で算出することが大切です。
3.電力量料金単価を確認する
電力量料金単価は、契約している電力会社の料金プランなどによって異なり、契約書や電気料金の明細書などで確認可能です。例えば、1kWh当たり夏季は「25円00銭」、その他の季節は「21円00銭」といったように表示されています。
4.電気代を計算する
業務用エアコンの電気代は、先述した下記の式で計算します。
<電気代の計算式>
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)
例えば、消費電力5.0kWの業務用エアコンを、月200時間稼働した場合、電力量料金単価が25円/kWhとすると1日分と1ヵ月分の電気代はそれぞれ次のとおりです。
<1日あたりの電気代>
5.0kW×10時間×25円/kWh=1,250円
<1カ月あたりの電気代>
5.0kW×200時間×25円/kWh=2万5,000円
なお、この電気代は業務用エアコン1台あたりのものです。
同じ条件で業務用エアコンを5台稼働させる場合、1カ月の電気代は2万5,000円×5台=12万5,000円になります。
業務用エアコンの電気代が高くなる3つの理由

電気代が高くなる理由は大きく分けて以下の3つがあります。
外気温との温度差
エアコンは、外気温と室内設定温度の差が大きいほど、設定温度に到達するまでに多くのエネルギーを消費します。
例えば、外気温が低い冬季の場合、室温が暖房設定温度に上昇するまで長時間・高出力で運転することになり、結果として電力消費量(消費電力(kW)×使用時間(h))が増加します。特に広いオフィスは部屋全体が暖まるまで時間を要するため、電力消費量が多くなりやすいです。
非効率な使用
エアコンの非効率な使用は、電力消費を大幅に増加させる要因の一つです。例えば、従業員が頻繁に設定温度を変更したり、残業でオフィスに1人しかいない状況でもすべてのエアコンを稼働させていたりなどの状況が挙げられます。ほかにも、環境省推奨の室温(夏季28度、冬季20度)と比べて設定温度を低すぎる・高すぎる設定にしている場合も、非効率な使用といえるでしょう。
経年劣化
業務用エアコンの経年劣化も、電気代がかさむ原因になります。例えば、コンプレッサーや熱交換器の性能が衰えると、室温を維持するためにより多くの電力を消費するようになります。
業務用エアコンの電気代を節約する9つの方法

ここからは、業務用エアコンの電気代を節約する9つの方法を紹介します。
定期的なフィルター掃除・メンテナンス
フィルターの汚れは空気の流れを悪化させ、必要以上に電力を消費します。フィルターの掃除など、簡易的なメンテナンスは自力でも行なえるため、定期的に行なうことをおすすめします。
ただし、エアコン内部の洗浄など、分解をともなうような高度なメンテナンスは専門業者に依頼しましょう。内部の汚れを除去して劣化した部品を点検・交換すれば、無駄な電気代を抑えられるうえ、機器の寿命も延びます。
稼働前の換気
業務用エアコンは、外気温と室内設定温度の差が大きいときに、より多くのエネルギーを消費します。夏場の入室時など、外気よりも室温が高く感じた場合は運転前に換気を行ない、室内の熱気や湿気を外に逃がすことでエアコン運転時の負荷が軽減され、電力消費を抑えられます。
適切な温度設定
業務用エアコンの電気代を節約するには、室内温度を適切に設定しましょう。環境省では、室内の推奨温度を夏場は28度、冬場は20度に保つことを推奨しています(エアコンの設定温度ではなく室温の目安)。
エアコンの設定温度は1度緩和することで、消費電力量を約10%削減できるといわれています。極端な温度設定は電力消費を増加させるだけでなく、室内の快適性も損なうため、適切な温度管理を心がけましょう。
出典:環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査「家庭のエネルギー事情を知る」
扇風機やサーキュレーターの活用
扇風機やサーキュレーターを活用すると、空気の循環が促進され、室温が均一になります。必要最小限の設定温度で部屋全体を暖める(冷やす)ことができるため、特に、広い空間や高天井を持つオフィス・店舗では、高い節電効果が期待できるでしょう。設置や運用のコストも比較的安価なため、手軽にはじめられる節電対策の一つです。
断熱対策の実施
外気温と室内の温度差が大きくなるほど、設定温度に達するまでのエネルギー消費も増加し、電気代がかさんでしまいます。
断熱材の追加、窓への遮熱フィルムの貼付、二重サッシの導入などの対策により、冬場の熱損失などを抑えられ、消費電力の削減につながります。
風量は「自動」で設定
風量を「自動」に設定するのも効果的です。「自動」に設定すれば、機器側で室温や外気温に応じた最適な風量に調整してくれます。必要以上に高風量運転をすることなく、快適な室内環境の維持が可能です。
また、人感センサー搭載のエアコンや空調制御システムを導入することで、人がいない場所の風量の抑制や、体感温度を加味した温度調整が自動的にできるようになり、より効率的に電力消費を削減できます。
出光興産の「空調省エネ」を詳しく見る室外機の環境を整える
業務用エアコンの室外機を適切な場所に設置し、環境を整えることも重要です。
室外機の周りに物があると運転効率が悪化するため、まずは障害物を取り除き、通気スペースを確保してください。
また、室外機を日陰に設置して直射日光を避けましょう。特に夏場の直射日光は室外機本体の温度を上昇させ、冷却効率が低下してしまうため配慮が必要です。
加えて定期的に清掃を行なうなど、室外機が適切に動作できる環境を維持管理することが重要です。
使用状況に適した業務用エアコンを選定する
部屋の広さや人数に応じた能力と機能を持つ、業務用エアコンを使用しましょう。
例えば約7坪~10坪のオフィスの場合は約4.2kW(1.5馬力)、約14坪~21坪であれば約8.4kW(3馬力)の業務用エアコンが適しているでしょう。
また、古い業務用エアコンから最新の省エネ性能を備えた機種への買い替えも有効です。運転モードを細かく設定できる機種などは、より効率的な運用が可能になり電気代の削減が期待できます。
状況に応じて24時間つけっぱなしにする
エアコンは起動時に多くの電力を消費し、室温を設定温度まで調整する際に高負荷で運転します。設定温度に達すると、設定温度を維持する運転に切り替わり、その時点から消費電力が抑えられます。
そのため、頻繁に電源をオン・オフするよりも連続運転を続けたほうが節約につながる場合もあるでしょう。
もちろん、長時間不在にする場合は、都度電源をオフにするほうが消費電力を抑えやすい傾向があります。店舗や施設の利用状況に合わせて、適切な運転方法を選んでください。
電力会社の変更を検討するときの注意ポイント

業務用エアコンの電気代を抑えるには、電力会社を見直してより適切な電力プランに切り替えることも有効です。
ここでは、電力会社の切り替えを検討する際の注意ポイントを解説します。
契約条件の確認
電力会社の切り替えを考える際は、契約期間、料金プラン、解約条件などの詳細を事前に確認しましょう。ニーズにあっていない料金体系や条件で契約しないよう注意が必要です。
料金プランの比較
複数の電力会社の料金プランを比較し、自社の電力使用状況にあったプランを探すことが大切です。
固定単価プランと市場連動型プランの比較検討に加え、燃料費調整額の有無なども確認し、自社に合ったプランを選択することで、コスト削減につなげましょう。
また、料金プランに関する詳しい情報は以下の記事も参考にしてください。
燃料費調整額とは?電気料金への影響やプランの選び方を解説供給エリアと実績の確認
施設のある地域が電力会社の供給エリアに含まれているかも確認しておきましょう。
また、電力会社の信頼性や実績も1つのポイントとして検討しましょう。
【法人向け】出光興産の電力プランの特徴は?

出光興産は、発電所の運営から電力需給管理、小売に至るまで、一貫した電力事業を展開しています。再生可能エネルギー発電のほか、大型火力発電も含めて、国内で合計115万kWの発電能力を有しており、安定した電力調達を実現しています。
最後に、出光興産の電力プランの特徴をご紹介します。
【大・中規模施設事業者向け】出光でんき(特別高圧・高圧)
「出光でんき」は、オフィスビルや工場、病院などの大・中規模施設を運営する事業者向けの電力プランです。
出光興産の燃料費調整額には、市場価格調整項※1が含まれないため、電気料金の変動リスクを軽減できます。※2
また、再生可能エネルギー電源を活用したプランを含む4種類の電力プランから、脱炭素ニーズに最適なプランをご提案します。
※1市場価格調整項は、市場価格(日本卸電力取引所※3)の変動が電気料金に毎月反映される仕組み。
※2地域の電力会社とは、算定式が異なる場合があります。
※3日本卸電力取引所(JEPX)は、日本で唯一電気の売買が行なえる市場。電力の需要と供給が一致する価格(約定価格)にて取引が可能。
プランを詳しく見る
【小規模施設事業者向け】idemitsuでんき(低圧)
「idemitsuでんき」は、小売店舗や事業所などで低圧契約を利用される事業者向けの電力プランです。電灯用の「idemitsuでんき Sプラン」に加え、動力用の「idemitsuでんき 低圧電力プラン」もご用意。
また、CO2排出量削減ニーズに対応し、追加オプション「プレミアムグリーンプラス(CO2フリー)」または「グリーンプラス(CO2フリー)」を提供しています。
「プレミアムグリーンプラス(CO2フリー)」は、再生可能エネルギー(FIT電気を含む)由来の電力に再生可能エネルギー指定の非化石証書を組み合わせた再生可能エネルギー100%の電力プランです。
「グリーンプラス(CO2フリー)」は、再生可能エネルギー(FIT電気含む)やその他の電気に再生可能エネルギー指定非化石証書を組み合わせることで、実質的に再生可能エネルギー100%電気をご利用いただけます。
どちらもCO2排出量はゼロです。
拠点ごとに電気のご使用状況を入力するだけで、月々の電気代をシミュレーションできます。
idemitsuでんき(低圧)のプランを詳しく見る
業務用エアコンの電気代節約には電力会社の変更も効果的
業務用エアコンの電気代が高くなる原因には、外気温と室温の差や非効率な使用、経年劣化などが挙げられます。電気代の節約には、定期的なフィルター掃除やメンテナンス、稼働前の換気、適切な温度設定などが効果的です。
エアコンの使用方法の見直しに加え、電力会社や電力プランの変更も電気料金の削減につながる可能性があります。
出光興産では、ニーズに合わせた最適なプランをご提案いたします。業務用エアコンの電気代でお困りのご担当者様は、お気軽にご相談ください。
出光でんきだからこそ実現できる、安定した電力調達を提案します。